海外営業の醍醐味!筆者の海外出張スケジュールを公開します(北米編)2

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「憧れの海外出張は、実は泥臭く厳しい旅だった!」そんな現実を隠さずにレポートするこの記事も、いよいよ後半に入ります。日本から20時間かけてバンクーバー入りした出張者一行は、滞在わずか1日でカナダのバンクーバーを離れてアメリカのシカゴへ渡航することになります。

それでは、出張の後半戦を生中継でお届けしましょう!

エマ
バンクーバーを1日で離れるのはもったいない気がするけど、そこまでヒドい日程には見えないわね。ちょっと誇張し過ぎじゃないの?
K
出張はここからが本番だよ。初めは優しく、段々厳しく。タフなスケジュールがいよいよ登場だよ。さあ、見て行こう。

シカゴへ行くのに、ロサンゼルス経由?

丸一日をかけて日本からバンクーバーへ移動した筆者達。バンクーバーでの顧客訪問を終え、翌日は丸一日かけてシカゴまで行かなければなりません。「丸一日?」と違和感を感じた人は、勘が良い人です。バンクーバーからシカゴはそれなりに離れていますが、実は丸一日もかかる移動距離ではありません。

では、何故丸一日かけてシカゴまで行く事になったのか?答えは、「飛行機移動では必ずしも直線距離で移動出来る訳ではない!」からです。今回の出張は、正にこの良い例だったと言えるでしょう。

バンクーバー空港でロサンゼルス行きの飛行機を待っている最中、「一体誰がこんなフライトを予約したんだ!?」と出張同行者の恨み節が聞こえて来る様な気がしました。同僚の二人は優しいので口には出しませんが、筆者には彼らの心の声が明らかに聞こえました。

彼らが密かに怒るのも当然です。バンクーバーからシカゴへ行くのに、どうしてロサンゼルスまで行く必要があるのでしょうか?地図を見れば一目瞭然ですが、無駄にロサンゼルスまで南下して、その後シカゴへ向かって北上するルートです。この様なスケジュールになったのは、誰の仕業なのでしょうか?

最初に白状をしましょう。この航空券をアレンジしたのは筆者です!はい、私は完全にやらかしてしまいました。何故こんな非効率なフライトをアレンジしてしまったかと言うと、単純に他の業務が忙しすぎて最適なフライトを探し出す時間がなかったからです。前編で説明しましたが、海外出張前は出張の準備でバタバタと非常に忙しくなり、残業時間も増えます。

出張準備に時間を取られると、他の業務が回らなくなる。かと言って、他の業務を止める訳には行かない。このどうしようもない状況では、多くの仕事を通常より短時間でテキパキとこなす必要が出てきます。

一言で言えば「業務効率化」と言うやつですね。しかし問題なのは、効率化と言うのは口で言う程簡単ではありません。

今回の出張では、短時間でフライトをテキパキと探そうとした結果、10分間でバンクーバー→ロサンゼルス→シカゴと言う理想的(?)なフライトを見つけました。短時間で仕事を完了しようとすると、ろくな事がありませんね。

このフライトを見つけた時、明らかに変なスケジュールな事は筆者にも想像がつきました。後で現地に行って自分が苦労するのも分かっていました。ただ、出張のフライトを探すのに10分以上の時間を費やす事が出来なかった・・・。それだけの無念な理由により、筆者の同僚は巻き添えを食って変なフライトに付き合う事になった訳です。

後5分あれば、Expediaでもう3回位別の経路を検索出来たかも知れません。しかし、人生において「たら・れば」は言うだけ無駄です。同僚には申し訳なかったですが、楽しくアメリカ縦横断?の旅を楽しませて貰いました。当然ですが、無駄に移動した分だけ、全員疲労がたまりましたよ・・・。ごめんね、皆。

コラム:海外営業は出張時が腕の見せ所
不本意ながらロサンゼルス経由で移動した筆者達ですが、そもそも何故筆者が航空券を購入する担当になったのでしょうか?筆者が忙しいのであれば、他の同行者がフライトを調べれば良かっただけのはずです。

理由は非常に簡単で、技術部やサービス部の人達は日頃英語を使わないため、海外出張になるとどうしても受け身になります。どんなに経験のあるベテラン社員でも、海外で英語を使って出張するとなると、言葉の壁を大きく感じます。そして、「海外出張では海外営業の人に全部アレンジは任せよう。きっと営業の方が慣れてるから。」と考えてしまうのです。

コレは一見すると面倒なだけに思えるのですが、目線を変えると大きな「チャンス」だと言えます。航空券のアレンジや出張時の通訳、移動時のトラブル対応を上手くやり遂げる事が出来れば、同行者の信頼を勝ち取る事ができるからです。

特に、日頃から「あの人苦手だなぁ」と思っている人と海外出張に行くのはビッグ・チャンスで、出張中に色々と助けてあげれば相手はあなたを頼りにして来ます。すると、いつの間にか苦手意識が消えて仲間意識が芽生えるのです。海外出張は、海外営業員にとって腕の見せ所と言えるでしょう。

スーツケースを開けるのが馬鹿らしい!

さて、無事にシカゴに到着した出張者ご一行は、空港でレンタカーを借りてホテルへ向かいます。シカゴには5日間滞在するため、現地の営業マンに運転して貰うよりも、自分達でレンタカーを借りて移動した方が効率が良いのです。この日もいつもと同じ様に、あらかじめ大きめのレンタカーを空港で予約していました。

では、ここで問題です。このレンタカーを運転する人は誰でしょうか?上のコラムを読んでくれた人なら、恐らく海外営業(この場合は筆者)だと答えると思います。それは正解!ではないのです・・・。正しくは、「交代交代で皆で運転する」が正解となります。

「海外出張は海外営業員としての腕の見せ所って言ったじゃないか!」と言う声が聞こえてきそうですので、交代で運転する理由を説明しましょう。

海外出張で使う言語は、基本的に全て英語です。そしてこの英語が上手く話せないから、技術部やサービス部の人達はイライラが溜まり、自己嫌悪を感じ始めます。「どうしてこんな事すら英語で言えないのだろう・・・」「あぁ、もっと英語を勉強しておけば良かった」と後悔するのです。

そんな中、車の運転だけは彼らを裏切りません!ドライブは楽しいですし、道路標識の英語(地名)さえ読めれば、英語が苦手な人でも立派に運転手を担当する事が出来ます。そうです、車の運転は海外出張の移動中に彼らが輝ける、唯一のチャンスなのです!!

こんな状況なので、海外での運転は実は「取り合い」になるケースが結構あります。「せっかく海外に来たのだから、左ハンドルの車を運転してみたい!」とどうしても考えてしまう様です。実際、今回の出張もレンタカーの運転は完全なる取り合い状態になり、結局筆者が運転したのは全体の10%以下でした。

私は特に運転が好きなわけではないので、喜んで同行者の二人に運転して貰いました。だって、その分車の中で寝たりして休めますからね。技術部とサービス部の同行者は、とても楽しそうに90%近い距離をドライブしていましたよ。

さて、ドライブの件は良いとして、今回の出張では1つ困った事が起きました(特に今回に限った話でもありませんが・・・)。と言うのも、顧客回りのために常に車で移動し続けているので、ホテルが毎日変わってしまうのです。

例を挙げます。まず、ホテルから10キロ東へ離れたAさんの事務所を訪問し、次にAさんの事務所から20キロ東へ離れたBさんを訪問します。その後、更に東へ10キロ離れたCさんの事務所を訪問し、翌朝Cさんの事務所から東へ20キロ離れたDさんの事務所を訪問したとしましょう。

この場合、ホテルとDさんの事務所は60キロも離れており、1日目の終わりに同じホテルへ戻って宿泊するよりも、Dさんの事務所に近い別のホテルに滞在した方が効率的です。2日目の朝が非常に楽になりますからね。こうして、1日目と2日目でホテルが変わってしまうのです。

「ホテルが変わる位どうってことないじゃん」と思ったあなた!それは違います!毎日ホテルを変えるのは、実はボクシングのジャブのように身体的に、そして精神的にジワジワとダメージを与えて来るのです

何故かと言うと、海外出張者は全員大きなスーツケースを持って移動しているのですが、ホテルの滞在が1日だけの場合、スーツケースを広げる事が出来ないのです!海外旅行でホテルに到着したら、まずスーツケースを開けて、洗顔料やひげ剃りを洗面所に置きますよね?洋服やシャツをハンガーに掛けて、まずは生活の拠点としてホテルの部屋を整えますよね?

でも、今回の海外出張の様なスケジュールでは、「生活の拠点」は存在しないのです!それはさながら、大海を渡る渡り鳥のように、毎日毎日スーツケースを開けては閉め、開けては閉めと言う作業を繰り返すのです。ホテル代の支払いも一緒で、チェックアウトの度にホテルにお金を支払わなければなりません・・・。コレは地味にストレスが溜まります!

案の定、今回の出張でも「1回で良いから2日間同じホテルに泊まらせてくれよ!」と言う嘆き節が出張者から出ていました(筆者も一緒に嘆いていました)。見知らぬ海外の土地で、大きなスーツケースを持って渡り鳥の様にレンタカーで移動し続ける。身体的なストレスはもちろんですが、心理的なストレスも結構なものです。

コラム:自社製品を悪く言う人はいない?
今回の出張では、得意先を回って自社製品についてアンケートを取りました。既存顧客が製品を気に入っているかを確かめるのが目的です。採点項目は約20個あり、最低が1点、最高が5点で評価をして貰いました。結果はどうだったかと言うと、ほぼ全ての項目で、殆どの顧客から満点に近い評価を貰いました。

でもこのアンケート。結果は余り当てにならないのです。何故なら、お客さんは自分が使っている商品を悪く言ったりしないものだから。誰だって、自分が買った商品の事を悪く言ったりしたくないですよね。

だって、自分が決断して買った商品が悪いのは、他でもない自分の判断ミスのせいですから。お客さんは、自己肯定感から採点を甘くする傾向があるのです。だから、出張で行うアンケートの結果はいつも高評価です。

この点を理解せずに表面的な採点だけを見て天狗になっていると、すぐに足元をすくわれます。お客の志向はすぐに変わりますので、そのお客さんは次に製品を買う時、他社製のものを買ってしまうかも知れません。

海外営業の真の実力は、お客の見えない不満やニーズを見抜く力にあるのだと思います。

平日移動は駄目なの?

さて、移動にばかりフォーカスして話を進めますが、もう出張も終盤です。無事にバンクーバー、シカゴ、ダラス、ヒューストンでの大仕事を終えた出張者ご一行は、いよいよ愛する日本へ帰国する時になりました。

日本のご飯は美味しいし、最近の日本は働きやすさも絶賛向上中!働き方改革が進み、ブラック企業は淘汰され、ビジネスも生活がドンドン豊かになります。「早く日本へ帰りたい!」

ところが、海外出張には働き方改革も、従業員満足度の向上も合ったものではありません!例えば、帰国のタイミング。海外旅行をした事がある人なら分かると思いますが、アメリカから日本へ帰国する場合、時差の関係で丸1日分の時間を失ってしまいます。

具体例を挙げましょう。土曜日の朝にアメリカから日本へ向けて出発するフライトに搭乗すると、日本へ到着した時には既に日曜日の夕方になっています。テクノロジーがどれだけ発展しても、人間を運ぶ飛行機のスピードは劇的には変わらないので、この事実は半世紀程前からほぼ変わりありません。

ところが、私が所属する様な古い体質の日本企業だと「平日は働いて、帰国は週末にするのが普通だろ!」と声高にプレッシャーをかけてくる昭和時代の化石の様な上司が結構いるのです。

今回の出張も正にこの例で、私達が帰国の途についたのは土曜日の午前でした。という事は、日本へ到着したら既に日曜日の夕方・・・。更に、空港から自宅まで帰る必要がありますので、家に到着した時は既に20時を回っている状況でした。

日曜日の夕方にサザエさんを見て鬱になるのを「サザエさん症候群」と言うそうですが、私達は18時30分放送開始のサザエさんすら見れない悲しい運命だったのです。しかも、悲しい現実は続きます。20時間以上をかけてタフな出張を終えた戦士達を待ち構えているのは、「月曜は当然出社するよね?」と言う暗黙の了解・・・。

別に誰かが圧力を加えて「月曜は出社しろ!」と言っている訳ではありません。でも、何となく周囲の目が「月曜は来るよね?」と言っている様に見える。こうして無言のプレッシャーに負け、出張者達は翌日時差ボケの目をこすって、出勤するのです。

こうして睡眠不足となった私達は、翌日の月曜日に眠い目をこすって会社へ出勤し、飛行機の中でほぼ仕上げていた出張報告書に最終修正を加え、同日中に上司へ報告します。こうやって見ると、働き方改革は一体どこへ行ったのか?と疑いたくなります。

コラム:出張報告書は上司の気分次第?
出張報告に対するモチベーションは、上司次第で大きく変わります。自分に対して正当な期待を持って接してくれるフェアな上司ならモチベーションは上がりますが、中には最初から聞く耳を持たない上司がいるのも確かです。

筆者は今まで5社で報告書を提出した経験がありますが、上司の態度は会社ではなく、個体差だと考えます。優良企業にも横柄な上司はいるし、零細企業にもフェアな上司はいるのです。

今回の出張の話をすると、残念な事に私の上司は最初から新たな意見を聞く気がない頭の固い上司でした。案の定、彼は私達の報告中にチラチラと腕時計を見て、最後の総括ではとても皮肉めいたコメントをくれました。

報告者は笑顔を取り繕っていましたが、心の底では「この野郎!」と怒っていたに違いありません。とても後味の悪い報告会でした。

エマ
振り返って見ると、確かに海外出張って肉体的にハードね。華やかなイメージとは程遠いわ。
K
海外出張ではみなし労働となって残業代が付かないから、金銭面でも日本で残業した方が得だったりするんだ。でも、経験値が絶対的に上がるのは間違いない。お金だけじゃなくて、キャリア全体を考慮して臨むのが良いと思うよ。

以上、今回は私が実際に行った北米出張を時系列で振り返ってみました。海外出張のリアルな雰囲気が伝わったでしょうか?ビジネス経験を積むのに持ってこいの海外出張ですが、必ずしもプラスの面だけではありません。

この記事を読んで、ミステリアスな海外出張のマイナスの面を理解して貰えたら嬉しいです。辛い思いをしても、一緒に移動した仲間との繋がりは一生消えません。沢山海外出張をして、沢山の仲間を作りたいですね!

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K

共働きの妻と愛する子供を持つバイリンガルパパ(TOEIC950点、英検1級)。家事、育児、仕事と毎日忙しく奔走中。忙しすぎて風邪でダウンする事が時々ある。10年の海外営業経験を活かし、ブログでは英語学習のノウハウ、幼児英語教育(おうち英語)、海外営業の関する情報を提供しています!